日本語あれこれ(鶴の一声)

〝鶴は千年亀は万年“といわれるように、昔から鶴は長寿の象徴でした。
調べてみると実際の寿命は、鶴は20年〜60年、亀は長いもので100年〜200年のようで千年とか万年いうには遠いですね。となると何故?ということになります。これは古代中国の伝説からのもので、鶴と亀は仙人(不老不死の存在)の弟子であるとされていて、それならば仙人と同じように長生きで縁起がいいだろうということから来ているようです。その「鶴の一声」、これには諸説あるようで、鶴は首が長く甲高い声で周りを威圧するような鳴き方をします。昔のムラ社会には長老という我欲に走らない、有力者とか権威者などと云われる人が居て話し合いがなかなか決まらない時には、その人の一言で意見をまとめることができていたのです。このありようが、鶴の鳴く様子と重ね合わさって生まれた表現とされていますが今この現代、我欲のない人(鶴)を探すのは至難の業であると共に、我も我もがという競争社会、声高らかに発信しても(鳴いても)結局誰も聞いていなかったということもあり得ます。
しかしながら、大きな声で甲高く叫ばなくてもコツコツと積み上げた人望と求心力をお持ちの方は沢山います。派手なところのみでなくニッチなところに目を向けることも大切です。近年、若い人の活躍にも目を見張るものが多くあります。静かに声を発する鶴もいます。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より