説話(食堂)

食堂(しょくどう)とは食事をするところを言い、飲食店(レストランなど)や、今や一般家庭ではダイニングルームのことを指して言います。この「食堂」元々は仏教の言葉で“じきどう”と読みます。
現在のように「しょくどう」と読むようになったのは明治以降とのことで、意味合いも、皆が一堂に会して食事をするところというように広がっていったようです。
そもそもは僧侶が食事をする建物を「食堂(じきどう)」といいます。「食」は「じき」、「食事」は「じきじ」と読みます。食事も重要な修行(特に禅宗では)とされていて食堂は食事の所作(作法)を身につけ、食物への感謝と、作法を通して自己研鑽する修行道場で、禅宗では僧堂又は斎堂(食事をする場所の意)とも言います。宗派により異なりますが、「食事の時に使う器、姿勢、所作(これには、食事をする側・賄う側各々の作法があります)、食事前のお経、食事後のお経、などなど」の決まりがあります。
このように、「食堂」は修行の場であり生活を維持(命をつなぐ)する場所なのです。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より