説話(学生)

仏教の理論は二千数百年来、多くの人々によって語られ次第に複雑化してきました。 そこで理論を学びたいという僧侶たちを集めて仏教を学習する施設(学問寺:がくもんでら)が作られ、その施設で学ぶ僧侶たちのことを学生(がくしょう)と呼びました。
特に有名な学問寺としてはインドのナーランダ寺院があり、ここへは「西遊記」でおなじみの三蔵法師(さんぞうほうし) 玄奘(げんじょう) も訪れたことがあります。日本では、奈良の興福寺法隆寺薬師寺などが学問寺として有名です。
江戸時代になると宗派ごとに「学林(がくりん)」、「檀林(だんりん)」などと称する学問所がつくられ、これらが今日の仏教系大学となっています。 このように元々は学問僧のことを学生(がくしょう)と呼んだのが始まりで、今では学生(がくせい)というようになりました。
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より