説話(過去、現在、未来)

「過去」も「未来」も「現在」も仏教に語源をもっていて、それぞれ、
「過去」は、「行ってしまった(ものごと)」
「現在」は、「いまある(ものごと)」「いま起こりつつある(ものごと)」
「未来」は、「まだやって来ていない(ものごと)」
の意味合いがあります。仏教では、「時の流れ」よりも「ものごとの流れ」の方を重視します。時が過去から未来にむかって流れているというのではなく、「いまだやって来ていない」ものごとがやってきて、やがて「行ってしまう」というのです。では、ものごとは、どこにやって来て、どこから行ってしまうのかというと、それは、私のところにやって来て、私のところから行ってしまうのです。私のところには、どのようなものごとがやって来るのかというと、あちらが勝手気ままに押しかけてくるのではなく、私が選んで招待するのです。つまり、私しが、いま、なにをするのかで「未来」が決まるのです。
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より