説話「会釈(えしゃく)」

軽く頭を下げ挨拶することを「会釈」といいます。その語源は「会得解釈」で、略して「会釈」です。
会得とは、物事の条理を理解し納得することです。解釈も同じような意味です。『会得』も『解釈』も頭でわかっただけでは本物ではないという意味合いです。例えば「水泳上達法」の本を何百回読んでも泳げません。実際に水の中で練習を繰り返し体で覚えなくては身につきません。
頭で理解するより身体で覚えることが肝心です。身体で覚え身につけることが「会得」であり「体得」です。
他人と出会った時には挨拶するということは分かっていても、それをしないのでは「知って行わざるは知らざるに同じ」ということになってしまいます。
特に日常の基本的生活習慣などは頭での理解よりも、ひとつひとつ身体で覚える積み重ねが大切です。
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より