説話(相続の本来の意味合い)

人の心そのものは一瞬ごとに変化するものです。しかしその瞬間瞬間ごとでの行い、あり方というものは必ず何らかの潜在力を残して次の 瞬間の心に引き継がれていくものです。
少しややこしいですが、この「非連続の連続体」ともいうべきものが「相続」です。
いま、「相続」というと「遺産相続」ぐらいしか思い浮かばないのですが、仏教的な本来の意味からすれば「相続」とは「心の相続」をいいます。 人様々で、遺産をめぐる争いはよくあることですが、誰にも共通にあるのが「心の相続」です。
「子孫のために美田を残さず」という言葉があります。これは、子どものため にこれといった遺産を残さないのが親心という意味合いです。
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より