説話(刹那:せつな)

刹那主義とか刹那的などと使われるこの言葉は、極めて短い時間の単位のことです。
時間の単位として一番短いものが刹那で、現代の時間に換算すると一刹那は一秒の七十五分の一になるといわれています。現在では「彼女はひどく刹那的な気持ちになった」とか「彼は刹那主義だ」という使われ方をしますが、刹那主義とは過去や未来のことを考えずに現在の瞬間瞬間を楽しく過ごそうという考え方です。
過去のことにいつまでもクヨクヨせず、現在の一瞬一瞬に充実した生き方をしていくことは大事なことといえます。そして、その一瞬一瞬が積み重なって、よい結果を生み出していくのです。「こうしたい」と思っていてもなかなかできないのが現実ですが、希望は大きくもって、現在を大切に生きたいものです。
「ことばの旅」静岡県成道寺住職伊久美清智師著を参考&編集
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より