日本語あれこれ(「誘い水」を向ける)

「誘い水」とは、ものごとを調子よく(上手く)始めるための「キッカケ」の意味で使われます。
この言葉の語源はと云えば、現在ではお目にかかることが少なくなった「ポンプ」からきています。
日本の今の子供たちは、水は水道から出るものと思っています。私が子供のころは井戸水をポンプでくみ上げたものでした。時々ポンプの中に空気が入ってしまい水が出なくなることがあります。そんな時は汲み置いた水をポンプの中に入れて水の出を誘い出すのです。この時に使う水を「誘い水」といい、誘い水をポンプに入れる行為のことを「向ける」と表現したものです。
世界的に見てみると水道どころかポンプさえ整っていない地域が多くあります。こういった生活環境に対しては安心・安全・便利な国、日本といえるでしょう。
IT坊主のひとりごと「IT坊主の無駄方便」集より
「知っているようで知らない日本語」㈱ごま書房より引用&編集