説話(供養のこころ)

ご承知の通り、お彼岸は春と秋との年2回あります。
春は春分の日をはさんだ七日間、秋は秋分の日をはさんだ七日間です。お彼岸は仏教の発祥地インドにもない日本独自の仏教行事です。しかしお彼岸と言う言葉の意味はやはりインドにあり、彼岸とは梵語の「パーラミター」が語源で、これを漢字にしたのが「波羅密多」です。意味は到彼岸、悟りの世界に到達する為の六種の修行法と言う意味です。すなわち彼岸に到ると言う事は、悟りの世界の事であり、仏道の修行で悟りに到ろうと言う訳です。
また、浄土思想では極楽浄土は西の遥か彼方にあると言われています(西方浄土ともいいます)。春分秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遥か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりとも言われます。太陽がこの世に一番近くなる時期に、心に極楽浄土を思い描き浄土に生まれ変われる事を願ったものともいわれています。
「IT坊主の無駄方便」/eお坊さんねっと 説話集より
参考:「天台宗法話集より抜粋・編集